建築見積ソフトの中には、無料で提供されている製品があります。ここでは、有料版と違いに着目しながら、無料版でできることを解説いたします。
無料版の建築見積ソフトは、主に見積書の作成や印刷、マスタの追加・編集などの機能を備えています。ソフトによって細かな違いはあるものの、基本的に見積書の作成のみであれば、無料版でも問題はないといえます。
しかし、無料の建築見積ソフトは、機能制限を設けている製品も少なくありません。お試し版として提供し、利用期間を定めている製品もあります。また、登録できるデータに上限を設けている場合もあるので、利用する際は注意が必要です。
無料版は積算の機会が少ないか、細かい内訳を求められない事業者向きといえます。これらに当てはまらない場合、有料版を検討したほうがよいでしょう。
建築見積ソフト「Kensuke Neo」は、エクセルのような操作性で、誰でも簡単に見積作成ができる点が特徴です。
リフォームや木造住宅の小規模工事から、大規模な鉄骨造やRC造まで、幅広い工事に対応可能で、すべての工事を同じ操作で見積もることができます。
また、見積作成の効率を大幅に向上させるため、仕上積算ソフト「Neo仕上」との連携機能を備えており、積算結果を「Kensuke Neo」へ瞬時に転送することが可能です。
さらに、最新のOSにも対応しており、定期的なバージョンアップが行われています。
無料での操作指導も提供されており、ユーザーは新人のトレーニングコストを削減できます。
1か月程度無料でソフトの貸出を行っており、実物件を使って操作感を確かめられます。
「使えるくらうど建築見積V2」は、建築見積書作成に特化したクラウド型ソフトウェアです。
最大5階層までの階層見積に対応しており、内訳明細書のような詳細な見積を簡単に作成できます。
また、単価や諸経費の一括修正が可能で、見積全体や選択した明細単位で効率的に見直しが行えます。
クラウドベースのため、インターネット接続さえあれば社内外問わずどこでも見積作成や共有が可能です。
さらに、原価や利益率を把握しながら見積作成ができるため、正確な実行予算管理を支援します。
「工事見積支太郎2」は、小規模企業や個人経営者、また建設業やリフォーム業、塗装業などで見積書作成を行う方に特におすすめのソフトウェアです。
手書きの帳票作成での計算ミスや書き損じをなくし、短時間で正確な帳票を作成できます。
さらに、作成した見積書をPDF形式で保存し、メールで簡単に送信できる機能も搭載しています。
このソフトウェアは、経理業務の効率化を図りたい方にとって非常に有用です。
加えて、体験版も提供されており、使用許諾に同意すれば、個人・法人問わず自由に利用できます。
体験版では一部の機能に制限があるものの、実際の操作感を十分に確認できるため、導入前の検討材料として役立ちます。
「見積書作成システムUS/M」は、建築積算ソフトと連動し、効率的な見積書作成をサポートするシステムです。
数量拾いから得たデータを自動で転記し、エクセルの入出力も可能で、既存のエクセル書式にも対応します。
また、自由に自社仕様の書式レイアウトを作成できるほか、文字数の拡張や部分縮小印刷、検索・置換機能など、豊富な機能が備わっています。
さらに、追加材や追加変更単価を簡単にマスタに取り込むことができ、材料集計機能も搭載しています。
デモ・サンプル版の提供もあり、オートデモCDの送付や訪問による説明が可能で、導入前にシステムの操作感を確認することができます。
「KYOEI COMPASS 2.0」は、建築業界における見積書作成を効率化するための高度なソフトウェアです。
このシステムはサブスクリプションサービスに対応しており、低料金で常に最新バージョンを利用可能です。
クラウド利用も可能で、リモートワークにも対応しています。
新しいユーザーインターフェースはリボン形式を採用し、「お気に入り」機能を使ってオリジナルメニューを作成できるため、操作性が向上しました。
さらに、見積書作成ではExcelとの双方向の互換性を持ち、数量や単価の計算を効率的に行うことができます。
下見積の比較機能や、最大16階層に対応した多階層構造で、大規模プロジェクトにも対応可能です。
無料体験版も提供されており、導入前に操作感を試すことができます。
「みつもり主任」は、建築業界に特化した見積書作成ソフトで、使いやすさと豊富な機能が特徴です。
このソフトは、見積作成の効率化を図るために設計されており、クラウド上でのデータ共有も可能です。
また、CAD図面や積算データとの連携機能を備えており、見積作成プロセス全体をスムーズに進行できます。
さらに、初めてのユーザーにも配慮された直感的な操作画面が提供されており、見積作成を短時間で正確に行うことができます。
リフォームや新築工事など、さまざまな用途に対応できるよう設計されており、柔軟なカスタマイズが可能です。
無料体験版も提供されているため、導入前にその操作性や機能を確認することができます。
「楽王」は、積算業務を効率化・最適化するための多機能ソフトウェアです。
見積コピー機能を活用すれば、類似案件の再利用で作業時間を大幅に短縮可能です。
オートコンプリート機能では、材料名や規格の一部を入力するだけで候補一覧が表示され、簡単に材料を挿入できます。
さらに、集計機能により、合計額算出後に材料単価の一括変更が可能で、価格調整が手間なく行えます。
画面アレンジ機能では、作業しやすいレイアウトにカスタマイズでき、効率的な操作が実現します。
また、インポート機能・自動引き当て機能により、仕入先からの見積書を自動で取り込み、自社見積書への転記作業が不要になります。
「MtWin」は、複雑で行数の多い建設工事業の見積書作成を効率的に行うためのソフトウェアです。
わかりやすい画面表示と簡単な操作性で、多くのユーザーに支持されています。
特に、深く入り組んだ階層構造でもどの部分にいるかが一目でわかる画面表示が特徴で、効率のよい入力作業が可能です。
また、グラフや集計機能も充実しており、見積の分析が簡単に行えます。
充実したサポート体制も整っており、ユーザーが困ったときの迅速な対応が受けられます。
無料体験版も提供されており、導入前に実際の操作感を確認できます。
「あっと簡単見積」は、新築やリフォーム向けの積算業務を効率化するための見積書作成ソフトウェアです。CAD図面から数量を自動で拾い、テンプレートに自動挿入することで、短時間で精度の高い見積書を作成できます。
さらに、「ホームズ君 すまいのかんたんプレゼン」や「耐震診断Pro」との連携機能により、概算見積書や耐震補強見積書も簡単に作成可能です。特に、木拾い機能の強化により、定尺材の自動割付や3Dでの確認が可能となり、作業の効率と精度がさらに向上します。
また、作成した見積書をテンプレートとして保存することで、今後の見積作成が一層簡単になります。無料の体験版も提供されており、導入前にその操作感を試すことができます。
「みつもりくん」は、建築、電気設備、機械設備、公共営繕工事向けの積算システムで、特に予定価格から共通費積算基準に基づいた経費の逆算が可能です。また、国交省や防衛省の低入札価格基準に対応したシミュレーション機能を備えており、正確な積算を支援します。
無料で使用できる「みつもりくんie ZERO」は、最低価格のシミュレーションや経費計算の逆算を中心にした機能を提供しており、建築工事における費用管理に役立ちます。スタンドアローン対応で、データ共有はできませんが、直感的な操作で経費逆算や最低価格の算出が可能です。
Microsoft Excelと連携して使用することで、さらに精度の高い見積書の作成が可能です。なお、無料で利用できる基本ライセンスは、1台のパソコンでのみ使用可能です。
「Goolip」は、建築業界に特化したクラウドベースの見積・請求管理ツールです。インストールするだけで、請求業務の手間を大幅に削減できます。Goolipのデータはクラウド上で管理されているため、端末の故障や紛失時でも安心してデータを保管できます。
簡単な入力画面で、案件単位の管理やステータス確認ができるほか、外出先でもスマートフォンから案件情報にアクセス可能です。担当者ごとにアクセス権限を設定できるため、購買機能などの利用を特定の担当者に限定することも可能です。
法定福利費の計算機能や、商品単価掛率の設定機能を備えており、費用管理を効率的に行えます。さらに、20パターン以上の集計データ機能があり、必要に応じてカスタマイズ可能なレポートも出力できます。無料トライアルが提供されており、導入前に操作感を確認できます。
「工事見積書Super4」は、建設業界向けに特化した見積書作成ソフトです。使いやすさと高い機能性を兼ね備え、幅広い用途に対応しています。このソフトでは、工事ごとの詳細な見積書を簡単に作成でき、項目ごとに明確な分類が可能です。
また、Excel形式での出力や、カスタマイズ可能な見積書フォーマットにも対応しており、ユーザーのニーズに応じた柔軟な対応が可能です。さらに、作成した見積書はクラウドへ保存し、外出先でもスマートフォンやタブレットで確認できるため、現場でもスムーズに情報を共有できます。
豊富な機能を備えつつ、直感的な操作で効率的な見積書作成を実現します。
「見積くんⅢ世」は、豊富な機能を備えた見積書作成ソフトで、実行予算書の同時作成にも対応しています。一般住宅からビルまで、多様なプロジェクトに対応できる2種類の見積作成機能を搭載しており、本見積と簡易見積のどちらも作成可能です。
ツリー形式の階層表示で、見積・原価金額の把握が容易に行えます。さらに、木造やリフォーム、鉄筋工事などの明細マスターが標準装備されており、導入後すぐに活用できます。
また、掛率計算機能や機密保持機能も備えており、現場での作業やデータ保護にも対応しています。PDF形式での保存が可能で、他のパソコンでも見積書を閲覧できるため、柔軟な運用が可能です。評価版も提供されており、機能の一部に制限があるものの、製品版と同様の操作性を試すことができます。
「どっと原価」は、建設業向けに特化したコスト管理システムで、企業ごとのニーズに応じた柔軟な導入が可能です。オプション選択式で必要な機能を組み合わせることで、最適なコストパフォーマンスを実現できます。
さらに、外部ソフトとの連携機能も充実しており、財務会計や給与計算システムとのリアルタイム連携が可能です。Excelシートを用いた帳票カスタマイズ機能により、従来使用していたフォーマットをそのまま利用できる点も魅力です。
また、導入前の分析サポートから、専任担当者による運用サポートまで手厚い対応が提供されており、日本全国に広がるパートナーが導入をサポートします。無料のオンライン相談も提供されており、操作感や機能を確認することができます。
「見積管理システム」は、建設業界における積算業務を効率化するために設計されたソフトウェアです。積算業務は複雑で時間がかかる作業ですが、このシステムは確認作業をスムーズに行うことで、作業の省力化と効率化を実現します。
現在の技術では、AIを活用して図面を理解し、自動で積算数量を算出することが期待されていますが、多くの作業はまだ経験と手作業に依存しています。しかし、「見積管理システム」を活用することで、躯体積算、仕上積算、コストプランニングのための概算・試算など、建設積算の重要な分野を効果的に管理できます。
また、物件管理と見積データの整理によって企業の競争力を強化することが可能です。試用版も提供されており、機能の一部に制限がありますが、実際の操作感を試すことができます。
「見積Goo!」は、短時間で見積作成が可能な建築業向けのソフトウェアです。材料を選択して必要数量を入力するだけで、迅速に見積書を作成できる点が大きな特徴です。
また、設備や建築工事における項目があらかじめ設定されているため、必要な情報を入力するだけで正確な見積もりができます。帳票テンプレートも多彩に用意されており、出力形式もカスタマイズ可能です。
クラウド機能により、複数の端末から同時にアクセスできるため、チームでの作業が効率的に行えます。さらに、プロジェクト管理や費用分析の機能も搭載されており、見積作成だけでなくその後の管理にも対応できます。
無料トライアル版も用意されており、基本的な機能を試すことができます。
「PARACIMA」は、建設業向けに設計されたハウスビルダー支援システムで、見積作成から契約成立、そして工事の進行管理まで幅広くサポートします。このシステムは、協力業者とのやり取りに便利なPDF、Excel、CSV形式で見積書、請求書、納品書を作成できる点が特徴です。
また、部材名や作業名を登録するだけで、誰が作成しても同じ内容の見積書を作成可能な工種部材マスター機能を搭載しており、パソコンに不慣れな方でも簡単に操作できます。
さらに、住宅プレゼンCADソフト「Walk in home」と連動し、自動積算を行うことで見積書と実行予算書を同時に作成できるため、効率的なプロジェクト管理が可能です。無期限で完全無料のフリーソフトとして提供されており、建築の専門知識を持つ方には特に有用なツールとなっています。
有料版の建築見積ソフトは機能が豊富で、できることも多岐にわたります。製品によって異なりますが、以下のような機能が利用できます。
有料の建築見積ソフトは、無料版のような制限がなく、さまざまな機能を使うことが可能です。見積書作成作業の工数削減や、業務効率化に寄与します。製品によっては、画面や設計をカスタマイズできる場合がありますので、自社の環境に合わせることが可能です。
企業で建築見積ソフトを導入するなら、有料版を前提に計画を進めましょう。無料版は導入費用がかからないため、コスト削減に大きく貢献します。しかし、機能制限が多いため、業務効率化・省力化に寄与するとは限りません。かえって業務が煩雑化する可能性もあります。
有料の建築見積ソフトは機能が充実しており、スピーディに内訳を作成できます。製品によってはデータ管理に対応していますので、見積書や関連ファイルの一元管理を実現可能です。
また、有料版はサポートも手厚く、導入方法や製品の使い方に関してメーカーのフォローを受けられます。研修に対応しているメーカーも多いため、社員教育にかかる時間とコストも削減可能です。
Excelや紙管理からの脱却を図ろうとも、いざ建築見積ソフトを見ると「どれが自社に合っているソフトかわからない…」と思っていませんか?
以下のページでは、システムへの詳しい知識がなくても、自社に合ったソフトが見つけられるように、対応する建築工事の規模感に沿ったおすすめのソフトをまとめています。自分たちの業務に適した建築見積ソフトを選んで、見積業務の効率アップ&ミス削減を図りましょう!
無料の建築見積ソフトは、コストがかからない反面、機能やサポートに大きな制約があります。しっかり使うのであれば、有料の建築見積ソフトを導入するべきです。有料の製品は機能が豊富で、手厚いサポートが受けられます。見積書作成業務の効率化にも寄与するでしょう。
見積業務の効率化をするには、ソフトの「導入」だけではなく、きちんと「使いこなす」ことが重要なポイント。過去の見積や取引先とデータの取り込み・連携がしやすく、導入前後のサポートも充実しているおすすめのソフトを紹介します。
階層数 | 10階層 |
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導入前のオンライン/訪問でのデモ説明に加え、無料でソフトの貸し出しを行っており、実物件を使って試用評価が可能。リモートサポートや操作指導を回数制限なく無料で実施し、ソフトのバージョンアップにも対応します。
階層数 | 5階層 |
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デモ画面・操作感を導入前にオンライン/訪問で確認することが可能。専属のサポートスタッフが運用開始まで支援します。導入後は契約者専用のコールセンターがあり、不明点を問い合わせることができます。
階層数 | 16階層 |
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導入前は持ち込みデモを実施。導入後は、有料もしくは一部有料にて、訪問でのOS環境設定やインストールを行う初期導入作業や、業務課題へのコンサルティングを実施。製品アップデートはHPからダウンロードが可能です。
2024年5月13日時点、Googleで「建築見積ソフト」の検索結果を調査し公式HPを確認できた31製品のうち、
・過去データの取り込みや取引先とのやり取りをスムーズに進めることができる「Excelからのデータ取り込み機能」を備えている
・見積ソフト利用を定着させるために必要な「導入前後のサポート」が受けられる
・自社の建築工事規模に耐えうる見積書の作成が可能か判断できる「対応可能なデータ階層数」がわかる
上記3点全てを公式HPに明記している製品を紹介しています。